手法の概要
本研究では国勢調査から得られる市区町村ごとの様々な情報(人口、世帯、住宅の状況、就労状況など)を「説明変数」、住宅・土地統計調査の市区町村ごとの空き家数のうち、自治体での対応が必要になることが予想される「その他の住宅」の数を住宅総数で除した「空き家率」を「目的変数」とすることで、日本全国の市区町村の将来の空き家率の予測を行う手法を開発しています。この将来予測はある国勢調査の調査年から、n年後の空き家率を予測するAI(機械学習)を開発することで実現しています。このAIを使えば、例えば2020年の国政調査の情報をこのAIに与えることで、2020+n年の市区町村ごとの空き家率を予測することが可能になります(このような処理のことを「外挿」と言います)。
データの読み方
2023年3月現在公開されている結果は市区町村単位の2018年の空き家率、2023年と2028年の推定空き家率です。HOMEの地図を拡大して任意の市区町村をクリックすると、2018年の推定値と真値、2023年と2028年の推定値を閲覧することができます。
また、右下の「空き家推定値(2018年)」をクリックして、任意の時点を選択することで、市区町村ごとの色をそれぞれの時点の空き家率に応じた結果に切り替えることが出来ます。
なお「空き家率(真値2018)」が「999」となっている自治体があります。これは、2018年の住宅・土地統計調査において標本数が少ないため非掲載となっている自治体(人口1万5,000人未満の町村)という意味です。
本研究成果に関連する論文
- 秋山祐樹・水谷昂太郎,統計情報を活用した将来の空き家分布予測手法の検討,日本地理学会 2023年日本地理学会春季学術大会,P012,2023.